見た目は非常にそっくりな沖縄サンシンと奄美三味線だが、実際に弾いたり音を聞いたりすれば、音楽知識のない人でもすぐに分かるくらい両者の性質は異なる。
比較的明るくゆったりとした曲の多い沖縄に対して、奄美の場合、哀調を帯びた悲しげな曲調で裏声を多用する事が多いせいか、蛇皮線のキーは高く、弦も細いものを使用する。
沖縄サンシンにはない特徴として、演奏上、左手の小技を駆使するため、特に2弦の消耗が激しい。ホントよく切れる。(これは私だけか?)
沖縄サンシンと奄美三味線の違い
蛇皮線 |
沖縄サンシン |
奄美三味線 |
皮 |
ニシキヘビ |
ニシキヘビ(薄い) |
バチ |
爪(水牛の角) ※1 |
細く薄い竹の板 |
弦 |
太い(白色) |
細い(黄色) ※3 |
調弦 ※2 |
(1)B (2)E (3)B |
(1)G (2)C (3)G |
※1
最近では、ギター用ピックを使う人が多いようだ。安価で形状が豊富な上、扱いやすいからだと思われる。 |
※2
もちろん、曲や唄者によって合わせるのが基本だが沖縄サンシンではだいたい1弦、3弦が「BかC」、奄美では「G」くらいが、蛇皮線の音が一番きれいに響く。 |
※3
その昔、絹で作った細い弦を補強する為に卵黄を塗った名残で、ナイロン製になった今でも奄美の弦は黄色いらしい。 |
↓画像で見ていただければ、その違いは一目瞭然である。
太い弦を水牛の角で弾く沖縄スタイル |
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細い弦を竹のバチで弾く奄美スタイル |
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