- 蛇皮線四方山話 -

その7:大事に保管しよう、本皮三味線 2004.3.19up
私の祖父は三味線を非常に大事に扱っていた。あまりにも大事にしていたため、子供の頃の私は恐れ多くて三味線に触れることなど出来なかった。そんな祖父の三味線保管法は和紙で出来た袋で胴の部分を包み、その上から厚手のビニール袋で包み、それを棹の部分でゴム留めするという方法である。人工皮の三味線はあまり関係ないが、過度の乾燥や湿気を嫌う蛇皮はこうして湿度を一定に保ってやることで寿命が長くなるようだ。但し見栄えは少々悪くなる。祖父が急逝した直後、「インテリアとして部屋に飾りたいので三味線を1本くれ」と弟が祖母に掛けあっていた。もちろん祖母は快諾したが、祖父の部屋に下げられた袋入りの三味線たちを見てボソッと「飾り映えのしない楽器だな」と言って何も持たずに弟は帰ってしまった。その姿がとても印象的で今でもよく覚えている。
二重の袋 ビニール袋は厚さ0.1mm×30cm×45cmくらいの物が丁度良い。画像は外側のビニール袋が少し大きい。
和紙は厚手で柔らかい物がお勧め。1枚を半分の大きさに切って2つの袋が作れる。

 


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